ZAZEN BOYS / ZAZEN BOYS 4

ZAZEN BOYS4

ZAZEN BOYS4

ミックスをデイブ・フリッドマンが担当した2年8ヶ月ぶりの4枚目。算数字になりました。ベーシストが替わってから初のフルアルバム。

前作ないし前作時のライブから小出しにされてて去年のシングル『I Don't Wanna Be With You』で大々的に導入されたシンセがメインに。徹底した80'sぽい質感、より強固になった一体感はさすがのもので、より研ぎ澄まされた集中力を感じることが出来るかと思います。前作同様の妖しさをこびりつかせる全体像の中で『自問自答』の寂寥感を別のステージに昇華させたような佳曲『Sabaku』の存在感が光ります。シンセによる味付けが濃くなってる中にも従来のZAZENサウンドは健在で、幾分ダンサブルになってる分ポップさも備えている点は、この作品に関してはプラスになっているかなと。結構アリなサウンドだと思います。あとどうでもいい点としては「虚無の予感の悪寒がさっきからする!!」みたいな歌詞の表記は初期のナンバガっぽい。

沈黙が長めだった辺りに試行錯誤的なものも感じ取れないではないですが、やっぱりアヒト・日向という個性的なプレイを売りにしていて、当初のバンドのコンセプトにもマッチしていたリズム隊2人が抜けた穴は生半には埋められないもんだなあという思いも厳然としてあります。最初から向井1人のアティテュードを忠実に表現するために事務的で優秀な手駒をそろえたバンド、という認識で聴いていたら間違いの無い傑作として響いていたでしょうけど、これまでは問題児揃いの放任主義な感じが魅力だっただけに、そこを手放してこのアンサンブルを手に入れたのかと考えると少々複雑ではあります。『Sabaku』がいい曲なだけに少し惜しいかも。