彗星継父プロキオン(1)

彗星継父プロキオン(1) (KCx(ITAN))

彗星継父プロキオン(1) (KCx(ITAN))

自分が彗星人だということは隠し、世をしのぶ仮の姿、流 星士郎として、ひっそりと暮らしていく……はずだった。あの人に出会い、恋に落ちるまでは!!! うっかり地球人のバツイチ子持ちの美人に恋して、再婚までしてしまったプロキオン!妻の連れ子・イクルくんは、父親として認めてくれるのか!?


現在は主戦場を「昭和元禄落語心中」で一躍注目の雑誌となったITANに移してるツナミノ先生の新作。前々作「シュメール星人」同様の異星人モノ。彗星継父はメテオトウサンと読むそうです。インベーダーの侵略から地球を護るヒーロー・プロキオンと再婚直後に海外勤務となってしまった妻の代わりに連れ子を育てる継父・流 星士郎の二足の草鞋を履かんと奮闘する彗星人の悲喜こもごもを描いていくようです。シュメールさんが持ってないものを全て備える代わりに、どれほど渇望すれどシュメールさんが持っているものは手に入らない的な感じがする今回の主人公像ですけれども、肝はヒーローと継父の両立ってところで、いついかなる時でも出動要請が入ればプロキオンとして現場に馳せ参じねばならない流さんなのだけど、子供の目からはインベーダーを倒すために戦場に赴くその姿が都合が悪くなるとすぐ逃げるニートにしか映らないわけで、そのへんの齟齬の描き方がたまらなく面白い。「シュメール星人」で存分に発揮されていた、日常の残念な瞬間を切り取って活写してみせる手管は今作では鳴りを潜めているけれど、テーマが家族に絞られているだけにそれはそれで続きが楽しみなところです。

2012年良く聴いたアルバム10選

■Cape Coast Radio / Cape Coast Radio

ケイプ・コースト・レディオ

ケイプ・コースト・レディオ

■The Corner Laughers / Poppy Seeds

Poppy Seeds

Poppy Seeds

miaou / The day will come before long

The day will come before long

The day will come before long

2011年作ですけどね。

■Talk / Waltz for Feebee

Waltz for Feebee

Waltz for Feebee

■METZ / METZ

Metz

Metz

■bio tolva / Chiaroscuro

CHIAROSCURO

CHIAROSCURO

■Strawberry Whiplash / HITS IN THE CAR

HITS IN THE CAR

HITS IN THE CAR

Dirty Projectors / Swing Lo Magellan

Swing Lo Magellan

Swing Lo Magellan

ZAZEN BOYS / すとーりーず

すとーりーず

すとーりーず

■Benjamin Gibbard / Former Lives

Former Lives

Former Lives

順不同。

はやて×ブレード(17)

はやて×ブレード 17 (ヤングジャンプコミックス)

はやて×ブレード 17 (ヤングジャンプコミックス)

いよいよ1巻時点からの目標であった槙ゆかり組との立ち会いが実現。すわ最終章なのかと思いきや、黒鉄父率いる黒組絡みの渦中での仕合なのでむしろ通過点で終わりそうなところに逆にホッとしたりしてます。天地父との会話で、はやてが天地学園に入った事を黒鉄父が初めて知ったような描写があるので、彼が言うところの超天才の娘とはナギって事になるんだろうけど、まあこれは親父と再会→沖縄娘と楔束→黒組の一員としてはやてと敵対のフラグかな。来年中にはいい加減楔束してもらわないと天才。

日常(8)

校長の名前って東雲なの? と書くと大いなる語弊が生じてしまう第8巻。え、でも東雲ってことはまさか‧‧‧‧‧‧。

bio tolva / chiaroscuro

CHIAROSCURO

CHIAROSCURO

先日惜しまれながらも活動を休止したハースペさんも絶賛のコメントを寄せる、脚本家兼コンポーザーという二足のわらじが眩しい御仁のデビュー作。

起承転結ないしカタルシスを大事にしたような音作りの妙が光る一方で、決してドヤァのドの字も窺わせない、朴訥さと謙虚さ。ゲストヴォーカルに全てを委ねるような大らかさと、沈黙による金よりも雄弁による銀を選ぶ愚直さが居並ぶ、非常にアンビバレントな印象。ストイックな遊び心というか。教鞭を振るいながら学んでるというかカチンコを叩きながら役を演じるというか、とにかく一曲一曲にせめぐ二律背反な感じが微妙に心地いい。北欧の良質なエレクトロニカのガワを纏いながら日本人ならではの奥ゆかしさを打ち出す音像はテニスのラリーを追って必死に首を左右に振るオーディエンスの心境を味わわせてくれます。耳が離せない。