外天楼

外天楼 (KCデラックス )

外天楼 (KCデラックス )

ロボットが人間社会に浸透した世界観のもと、外天楼と呼ばれる集合住宅密集群を舞台に描かれたSFミステリ。完結。掲載誌は文芸誌メフィスト」。

まずもう、1ページ目の鼻メガネの時点で単行本派の誰もがいつもの石黒テイストに彩られた、信頼と実績のユニークな作品を期待するはずで、実際冒頭の数話はゴミ捨て場のエロ本についてどうでもいい謎解きを繰り広げる少年たちの話や新米女刑事とベテラン中年刑事のドタバタ推理劇など、ミステリを多く輩出するメフィスト賞出身作家達が名を連ねる雑誌のカラーと作者自身の嗜好が巧く合致した佳作って感じで進んでいくものの、ただの連作短編と思われていたものが怒涛の勢いで繋がっていき終盤で見事な線になっていく様は壮大な叙述トリックを見せられているかのようで膝を打つ他なし。ページを繰るごとに膝を打つ他なし。佳作だなあという印象は読後には傑作だなあという感想に変わりました。メフィスト賞受賞作で言うと浦賀和宏「記憶の果て」を読んだ時と似たような衝撃を漫画で味わう事ができるなんて。いやすごい。シャッポがあったら脱ぎたいくらいでした。ありがとうございました。

あと第6話の犯人の絵にはなんだか駆け出し作家のデビュー作風な野暮ったさを感じる瞬間が多々あったんだけど意識的にタッチ変えてるんだろうか。

無限の住人(28)

無限の住人(28) (アフタヌーンKC)

無限の住人(28) (アフタヌーンKC)

阿葉山宗介ら水戸路の逸刀流が全滅。天津影久の一行、吐鉤群率いる六鬼団、万次と凛をはじめとした残存戦力のほぼ全てが逸刀流逃亡の目的地である薩摩への海路を担う那珂湊に集結、最後の戦いが始まる。

阿葉山が死ぬシーンの描写は彼の生前の業の深さみたいなのが端的に現れていてよかった。連れてかれると言うよりただそのまま圧し潰される感じが。あと決戦開始時の見開き。むげにんで久方ぶりにワクワクする見開きでした。

ドリフターズ(2)

ドリフターズ 2 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 2 (ヤングキングコミックス)

異世界に流れ着いた古今東西の英雄達と異世界に打ち棄てられた古今東西の英雄になれなかった人達が戦争しちゃうよーという中2漫画の第2巻。島津豊久、織田信長那須与一ら「廃城の漂流者達」によるエルフ達の完全解放から廃城に攻め入ってきた廃棄物達との戦闘まで。

この巻では我知らず豊久に亡き息子を重ね合わせる信長が当の豊久に「俺は織田信忠ではない」ときっぱり言われてしまうシーン、それを受けてのやり取りが良かった。信長のこういう面が描かれてるってのはかなり貴重なんじゃないかなあと思うし。あとオルミーヌ可愛い。

バクマン。(15)

バクマン。 15 (ジャンプコミックス)

バクマン。 15 (ジャンプコミックス)

TRUE HUMANとは一体何だったのか。