Jaga Jazzist / One-Armed Bandit

ONE-ARMED BANDIT (ZENCD152)

ONE-ARMED BANDIT (ZENCD152)

Motorpsychoとの『In the Fishtank』で聴いた事があって興味は持っていましたがまともにフルアルバム聴いたのはこれが初めて。タイトルがスロットマシンを意味する「片腕強盗」という知識は、最近クイズマジックアカデミーDSでタイムリーに獲得しました。

ジャズを基調としながらロックに接近した奏法で多面的なアプローチを試みるクロスオーバー・ミュージックの一種といった体でございますが、予想の上を行く多彩さ。少なくとも字面を見て「ふむふむ。隻腕の盗賊……」なんつってモノクロームで砂塵の吹き荒れるgy!be的な音なのかなーという妄想は砂の城のようにサラサラと崩れ落ちた。

シンプルさと複雑さの振り幅をきっちり管理して聴かせてくれるバランス感覚っていうのはまるで弁当マニアのこだわりみたいなのを示されているかのようで、エレクトロニカを前面に出しつつホーンその他で味を調え、時にアジアの香り漂うギターで彩りも添えてくれるその語り口は自分には非常に楽しく聴こえました。思ったより気軽に聴けたアルバム。