家政婦が黙殺
- 作者: 篠房六郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/02/23
- メディア: コミック
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ビブロスから出てた初期短編集に描き下ろし短編を加えて表紙をリニューアル、作品解説付きで講談社から出し直されて百舌谷さん4巻と同時発売。初単行本らしいので『空談師』を本格的にやり出す前あたりのやつなんですかね。
成年誌掲載作品がメインらしいけれど直接的な行為の描写は別に無く、しかし熱いパトスが正しく笑いへと注力された、ただただくだらないし明日への活力なんか沸き上がる錯覚すら起こらないけど娯楽性だけは抜群に突出した快作だと思います。一時期は漫画の基本とか叫ばれてたような今も叫ばれてるようなエロ・グロ・ナンセンスが忠実に――アレンジも施されているけれど――踏襲されていてきっちり面白いです。篠房先生の漫画でまともに読んでるのは百舌谷さんくらいですけど、今このタイミングでこれが読めてよかった。全作品集めたくなってしまいました。
大体がスレスレのパロディネタで占められてる構成に漏れず、描きおろしの短編も公共放送での映像化を控える今をときめく漫画家漫画のパロディ。同業の人達がアレに対して少なからず抱いていて、それを言葉にする時は出来る限りオブラートに包んでデリケートに少しずつ小出しにしてきたであろう思いをあれだけ盛大にぶちまけて見せる特攻精神たるや。惚れ惚れ。