重版出来!(1)

重版出来! 1 (ビッグコミックス)

重版出来! 1 (ビッグコミックス)

かつて女子柔道でオリンピックを目指したものの怪我で選手生命を絶たれた経歴を持つ主人公・黒沢心がとある編集部のとある漫画雑誌の編集部に配属されたところから始まって、漫画家、編集、営業、書店員等、本が読者に届くまでの、出版に携わる人々の苦悩や葛藤、成長を様々な角度から描いていくお仕事漫画。

初見こそ元アスリートが漫画編集に転身という点と少女漫画的コミカルさが「編集王」を「チャンネルはそのまま!」で薄めたみたいな、非常に小学館らしいテイストのお仕事漫画だなと思ってたものの、1冊の本にまつわるドラマの濃密さもさる事ながら、登場人物の誰もが「売りたい本を売る」この1点のみに準じて行動しており、それ以上の我は不要とばかりに切り捨てられているところこそが最大の特徴かなと。だからといってキャラクターから迸る魅力やエネルギーが目減りする事はなく、全話に渡ってひとつの目的に己を捧ぐ彼らの姿はよりエネルギッシュに心を打ってきます。社長がかっこ良すぎる。やり過ぎて引くほど格好良い。