彗星継父プロキオン(1)

彗星継父プロキオン(1) (KCx(ITAN))

彗星継父プロキオン(1) (KCx(ITAN))

自分が彗星人だということは隠し、世をしのぶ仮の姿、流 星士郎として、ひっそりと暮らしていく……はずだった。あの人に出会い、恋に落ちるまでは!!! うっかり地球人のバツイチ子持ちの美人に恋して、再婚までしてしまったプロキオン!妻の連れ子・イクルくんは、父親として認めてくれるのか!?


現在は主戦場を「昭和元禄落語心中」で一躍注目の雑誌となったITANに移してるツナミノ先生の新作。前々作「シュメール星人」同様の異星人モノ。彗星継父はメテオトウサンと読むそうです。インベーダーの侵略から地球を護るヒーロー・プロキオンと再婚直後に海外勤務となってしまった妻の代わりに連れ子を育てる継父・流 星士郎の二足の草鞋を履かんと奮闘する彗星人の悲喜こもごもを描いていくようです。シュメールさんが持ってないものを全て備える代わりに、どれほど渇望すれどシュメールさんが持っているものは手に入らない的な感じがする今回の主人公像ですけれども、肝はヒーローと継父の両立ってところで、いついかなる時でも出動要請が入ればプロキオンとして現場に馳せ参じねばならない流さんなのだけど、子供の目からはインベーダーを倒すために戦場に赴くその姿が都合が悪くなるとすぐ逃げるニートにしか映らないわけで、そのへんの齟齬の描き方がたまらなく面白い。「シュメール星人」で存分に発揮されていた、日常の残念な瞬間を切り取って活写してみせる手管は今作では鳴りを潜めているけれど、テーマが家族に絞られているだけにそれはそれで続きが楽しみなところです。