The Deer Tracks : Her Space Holiday / & records and Vinyl Junkie Recordings presents“Into Your Dream 2011″@Shibuya O-nest 11.13


Her Space Holidayの最後のジャパンツアー、なんと対バンには4 bonjour's parties! 一度観てみたかった! なんて素晴らしい! と喜び勇んでチケットを買ったらツアーの前哨戦みたいな位置づけのライブだった、という事実に切なさを過ぎらせつつもこの公演の対バン相手であるThe Deer Tracksが試聴してみたらなかなか良かったので気を持ち直して行って参りました。


The Deer Tracks
スウェーデンの美男美女ユニット。エレクトロニカからポストロック、シューゲイザーまで横断する、いかにもザ・北欧!て感じの音楽性。デュオという事だけど今回はサポートでもう1人女性がいてキーボード弾いてました。1周回ってヅラかと思うほどくっきりとしたブロンドのElin Lindforsという女性の方がメインで歌ってるわけだけど、この手のユニットにはもはや珍しい光景とは言えないながらヴィブラフォン叩いたりピアニカ吹いたり忙しそう。で、相方の男がこれまた凄まじく美形。しかしツインヴォーカルの体を採りながらも彼はどちらかというとコーラスに終始、動きと出で立ちがどうにも日本のV系界隈を思わせて、とても浮いて見えました。しかし短いリフを弾くだけながらも彼のギターの鋭さは印象的でした。もう少し大きなハコでやれればもうちょっとキラキラ感が映えるのになあ勿体無いなあと思いながら聴いてましたが、そういった今一つに思えた部分も全てが最後の「Yes, This is My Broken Shield」に収斂され、そしてぶっ壊れていく様を観てもう降参。FFの開発チームが無駄に全力を注いでストIIの車壊しのボーナスステージ作ったみたいな感じ。この曲はずるいわー。最悪最後にこれやるだけで全部オッケーみたいになっちゃうもん。ずるいわー。

Her Space Holiday

そしてハースペさん。熱心に聴いていたわけではなかったけど、ハースペ名義での最後の来日、そしてそれを観るチャンスがあった。という事でライブ初参加ながら最後を見届けようと。

下から二本指で支えて本を読んでそうな文系青年の出で立ちながら腕から覗く膨大な数のタトゥーが印象的。Her Space Holidayの名が示すように、紡がれるのは開かれた世界というよりはとてもパーソナルな宇宙。公共の施設と言うよりは個人の住居。テレキャスウクレレをほぼ交互に持ち替えながら、自動演奏によるトラックに味付けを施しつつ飄々とした音を淡々と奏でてセットリストを消化していく。「Japanese Gum」とか「Ghost In The Garden」、「My Girlfriend's Boyfriend」なんかが聴けたのは嬉しかった。最後の曲を演奏し終えて引っ込んでから1分足らずで戻ってくるという自分史上最速のインターバルも体験、駆け足気味ながら1時間ちょっとの宇宙の休日を堪能致しました。