なにかもちがってますか(1)

なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)

なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)

超能力の才能を持つ少年が、鬱屈した正義を抱える典型的な中二病患者の転校生の狂気に圧されて粛清活動に巻き込まれていくストーリー。思春期近くの少年少女が分不相応な力を持て余しながら理不尽な死に直面した時の心の在り様を描写する、いつもの鬼頭節ですね。これがあるので、「のりりん」の方はようやく肩の力抜いて読むことができるな。

骨組みが全く同じ話を森恒二先生もヤンジャンでやってらっしゃいますが、現段階で主人公達の思想がある程度一枚岩になりつつあり、多少は少年漫画的な側面も含ませていくことが予想されるあっちと違って、道具とその使用者という構図が構築されつつある関係性、タイトルが端的に示しているけど突如開花した能力とその不安定な精度から生じる間違いのせいで突風に吹かれるまま、吹き飛ばされそうなビニール傘のビニールのようになってる主人公という事で、どっちにも危うさはあるけど不穏材料は今のところこっちの方が多い分、ボルテージは高いかも。