限界集落温泉(1)(2)
- 作者: 鈴木みそ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
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- 作者: 鈴木みそ
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過疎化・高齢化により限界集落となって久しい伊豆の山間地。経営立ち行かず閉館・取り壊しが決定して立ち退きを迫られている温泉旅館のひとり息子と仕事から逃げてホームレス生活を送っていたゲームクリエイターが出会い、そこにやって来た死ぬ死ぬ詐欺を繰り返すネットアイドルとそれに釣られたオタク集団という各種ギリギリな面々が集結、結果として旅館復興と地域活性化を目指そうと言うストーリー。鈴木みそというと経済面から各種業界の暗部に切り込んでいく作風というイメージがあるんですが、「銭」はビームでぽつぽつ読んだ記憶がある程度です。あと、限界集落と書いて「ギリギリ」と読むみたいです。
元々がルポライター的な経歴を持ってる人のようで、観察力と取材に基づいて構築されたためかキャラクター達の言動――特にネットアイドル・アユポンのいちいち語尾が疑問形になる喋り方とか味覚がおかしいところとか――はリアルな反面、ストーリー展開はいかにも漫画的。でもそういったライター的な要素と漫画文法のミックスは、異質とまでは言わないけどなんだか一風変わった印象で面白いし、自分にはこれぐらいの塩梅が合ってるのかも。名言を多く輩出する漫画になるんじゃないですかね。
ドラマに山も谷も割とあり、組合理事との対立が決定的になった2巻にもなるとこちらも切れ者の様子で都会人に激しい憎悪を燃やす理事の息子も参戦、温泉復興チームのブレイン、ゲームクリエイターの溝田とどういった戦いを繰り広げるのかも含め、人間関係面でより楽しみが増してたりします。