Kashmir / Trespassers

Trespassers

Trespassers

聴いたのは確か『ZITILITES』とか以来で6、7年ぶりとかだったりするんですけど、これがまだ6枚目だというデンマークのバンドの新作。母国では国民的人気を誇っているようだけど日本だと多分、北欧ロックが注目されだして挙って国内盤化された02〜04年頃ぐらいの波の端っこに乗っかっていたような感じで、Mewのおこぼれで日本デビューみたいな印象かなと勝手に思ってるんですけど。

『KID A』の大きな功績っていうのはエレクトロニカを選択肢のひとつとして広く提供してくれた事にあると思っていて、その手の作風ではかなり熟れた部類に入るんじゃないかと思います。ポップとアートの調節具合、寂しさとほの暗さ、そこにひたひたと付け込んで来るメロディ。あの絶妙な距離感を感覚でやってしまうところが北欧の売りだといっても過言ではないわけで、「不法侵入者」という意味らしいタイトルが全編に亘って小憎らしく刻み付けられるアルバム。抜き足差し足で忍びこむ事は侵入者のせめてものマナーだと思う。