羣青 上

羣青 上 (IKKI COMIX)

羣青 上 (IKKI COMIX)

DVに心身を蝕まれた女が学生時代から自分を好いている同性愛者の女に夫の殺害を教唆。任務は遂行されるが、すぐさまトカゲの尻尾切りで終了というのは躊躇われたのか、教唆犯は実行犯を車に乗せて夜の街を走り出す。かくして女2人の逃避行がスタートするのでした、という話。モーニング・ツーで2009年半ばまで連載された後に中断期間を経て小学館に移籍、IKKIにて連載再開と共に全3巻の物語としてIKKIレーベルから以下続刊の予定。キャッチコピー的に大好物そうですもんねIKKIはこういうの。

無線の音や道行く人の腰周りを常に気にしたり、青い服には異様なまでに敏感に反応する癖が身について、常に数人が足音荒く走っていく様を路地裏から横目に見ているアングルが続くスリリングな逃亡劇なんかではまったくなくて登場人物が精神的に消耗していくやりとりで読ませる感じなわけですが、ゲップをしたら油が喉に引っかかって顔をしかめるような読後感なのに目が離せない訴求力はすごいなあと。大体表紙がヤバい。あの首の骨の浮きっぷりを見るたびに胸が締め付けられるのでブックカバーは必須の方向で。