東京事変 / スポーツ

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前作は2回ほどしか聴いてなくて、さらに林檎さんのソロワークが間に挟まっていた事もあってシングル『能動的三分間』のリリースやアルバム収録曲がCMで使われていたりしてもこう、いまいち始動している感じに見えないなーと思っていた矢先の新作。

前作同様に林檎以外の楽曲がメイン(だったと思う。たぶん)な構成だけれども、これは磨いても磨いてもどこかに「椎名林檎東京事変」臭がこびりついてた今までを置き去りにしますな。ハイスペックで手間要らずな掃除機に頼る事無く自らの肉体をフル稼働、四角い所は丸く掃き、重曹を効果的に使いながら遂に職人的な大掃除を可能にした、というイメージ。ジャケットや歌詞カードに挿入されているメンバーの写真は時期に即して冬季五輪を意識した感じですが、これはどっちかというとチームスポーツの多い夏季の感じ。ただCD1枚聴いただけなのにふっとやってくる達成感みたいなのは、重厚な世界にひとしきり触れた後の疲労を伴うようなやつじゃなくて、もっと清々しいもの。

4枚目にしてバンド「東京事変」のファーストという印象の強い、しかし確かな経験値を窺わせるアルバムだと思います。