The Album Leaf / A Chorus of Storytellers

Chorus of Storytellers (Dig)

新作の度に律儀に来日してくれるジミーおじちゃんの5枚目。ひとり宅録にマンネリ感でも覚えたのか、今回はバンドスタイルで制作したそうです。そのせいか歌モノの割合もぐっと減って、短く太くのスタンスにシフトした模様。安心のこたつサウンドの中に、数曲に集中して紡がれる歌声がデニーズにおけるフリードリンクのような間隔でやってくる――まあ、「コーヒーのおかわりいかがですか？」の間隔は決して一枚岩ではないのですけど。ともかくも、おもちゃの延長線上にあるタコ焼き器程度にはライブ感を味わえるんではないかと思います。ああいうのも最近は馬鹿にできないようですし。信頼感という点ではかなり磐石になったと思います。

世界観の深化、音像への肉体性の付与という変化はあるもののここまできたらもう、方向性を完全に固定化した上でどれだけ良いメロディーを作っていくかっていう話になってくると思うので、これからのジミーさんはフォレスト・ガンプ状態になるんじゃないかという懸念も若干抱いていたり。今後新しい引き出しを期待している併走者はずるずる脱落していくんじゃないかって。