血界戦線-魔封街結社-(1)

血界戦線 魔封街結社 (ジャンプコミックス)

血界戦線 魔封街結社 (ジャンプコミックス)

ジャンプSQないしその関連誌で不定期掲載されている内藤先生の新作が単行本に。たった一晩で異形の跋扈する霧の魔都に変貌した元・紐育「ヘルサレムズ・ロット」で、侵食する異界と現世とのバランスを保つことを目的とする組織「ライブラ」のトンデモ構成員たちとそこに所属することになったワケアリ青年の奮闘を描く活劇モノ。SQ2008年7月号あたりに載ってて主人公も違うプロトタイプの読切は未収録。帯には「SF伝奇アクション!!」て書いてあるんですが、舞台がまるっきり現代日本だったあっちの路線の方が解りやすく伝奇っぽかった。収録されると踏んでたから捨てちゃったなあSQ。残念。

7:3くらいでオカルト寄りではあるものの、銃器類や兵器のデザインセンス、ボキャブラリーとウィットに裏打ちされた台詞回しは変わらずの味わい。息をつかせないスピーディさの中に挟まれる軽妙な口喧嘩は都市の住人の明るいタフさを垣間見せてくれるし、物語の見届け役であるレオの能力も意外な応用性があってなかなか使えそう。少年漫画らしく最後は大技でドーンという王道の見せ方もしているので現在の設定になってからは戦闘が幾分すっきりした感じ。ただ主役格がレオに変わったことによって「紳士なんだけど顔が怖くて損をしている」「笑顔が一番怖い」などのクラウスのキャラが使えなくなったのは個人的には惜しいです。

でも、7頁目のレオのモノローグが、3コマ目で異界の虫のハンバーガーを横目に見た時フォントが古印体になってるのは小技だと思った。