バクマン。(3)

バクマン。 3 (ジャンプコミックス)

バクマン。 3 (ジャンプコミックス)

どうせやるならてっぺん獲るしかないっしょ、という事で反王道路線を翻し、担当編集も説き伏せてリスクの高いバトルものの新作に着手する亜城木夢叶。しかし元々ニッチな作風であるシュージンは王道路線のネームに苦戦し、サイコーの描くキャラも今ひとつ。アイデアが煮え切らずコンビの歯車が微妙に噛み合わなくなる中、サイコーはライバル・新妻エイジの臨時アシスタントの打診をされたりするんですけども。

なかなか連載への糸口が掴めない雌伏の時が描かれる第3巻。彼らの状況はただ漫画家を目指すならば断然順風満帆な部類に入ると思うんですけれど、なにしろ設定したハードルが激高ですし、多少ご都合と思われてもこれくらいのテンポでさくさく進めていく方が読者のペースとしても丁度いいのかも。あと人間関係に禍根を残さないというか、苦い展開があってもできるだけ後に引かないような話の転がし方とかも配慮なんでしょうかね。

新妻エイジは初登場時と較べてかなりキャラが軟化した印象。新連載直前で作品を変更したり打ち合わせもしなかったりという天才肌の変人気質は変わってませんがサイコーら漫画家予備軍と絡むことでちょっと人間味が出てきたような気がしました。いつの時代も、志を同じくする人間が熱く語り合う画っていうのはなんだか憧れますなあ。