百舌谷さん逆上する(2)

百舌谷さん逆上する(2) (アフタヌーンKC)

百舌谷さん逆上する(2) (アフタヌーンKC)

キタコレ。2巻目。

病気の域に達したツンデレ体質の故に、好意を持った相手にほど災厄を撒き散らして疲弊させる事に心を痛める百舌谷さんを見かねた微笑みデブであるところの下僕・樺島君がご主人様の百舌谷さんに僕はドMです宣言をする事によって狂乱の夏休みが幕を開けるという展開です。

葛藤を繰り返す彼女にとっては束の間差し込む一条の光、大して後ろ向きな漢らしさを披露してしまった彼には墓穴でしかない時間の始まり。樺島君には心臓を患う美形の弟がおり、兄に足りないものは大体備えているその弟君が大の兄貴マンセーであったりするところから舞台が病院メインにシフトし、腐女子のナースや酸いも甘いも噛み分けまくってる樺島祖母やらが登場し、先ほどのドM宣言もあって見事なカオティックSM群像劇に仕上がりました。『百舌谷さんの自由研究。』はまさに珠玉。夏休みつったらこれしかないよねーとぐうの音も出ない王道を行く小ネタのチョイスとオフロードバイク並の駆動力で獣道を行く絵面がもたらすコントラストが素晴らしい。カオスのゲージが上がり過ぎて瞬間瞬間、彼女は幸せなのかそうでないのかこんがらがるくらいの勢い。

そうなったらカバー裏をじっくりと読んで癒されることにしています。