The Mars Volta JAPAN TOUR 2008@STUDIO COAST 06.13

またスタジオコーストに行きました。新木場は意外と時間が潰せるんじゃないかとブンブンの時は思ってましたが、大体の店が駅構内にあるため、終演後は軒並み閉まってるんですよね。反省会には向かない場所だと思いました。新木場。

SEに脈絡が無いため、開演のタイミングを掴みきれない最前列の人たちが曲が終わったらとりあえず拍手しとけみたいなムードの中、メンバーが登場。
3rdの来日時は脱アフロの出で立ちで衝撃をもたらしてくれたオマーの頭が元に戻っていた代わりに、セドリックの髪型がなんだか凄まじいことに。形からクラシックに入ろうとして二進も三進も行かなくなった人みたいな風体ではありましたが、パフォーマンスは1stの頃に戻ったかのようにキレキレで。まだ最初のジャムなのにこれが最後の曲であるかのようなフルスロットル感に一気に持ってかれる。

初めて生で聴く『Goliath』はやっぱりテンポ速め。新ドラマーのトーマスさんは冒頭こそ少しちぐはぐな感じがありましたが新作の曲にはバッチリ対応してくる。1st、2ndの頃はやる気満々、「やっぱモッシュじゃね?」と連呼しつつ必死に前の人の背中をよじ登ろうと頑張るけれど、5分も経つとどうにもステージとリズムがズレてきて、後半はもはや棒立ちという若者達の姿は恒例でありましたが、近年はマーズ慣れしてきた人が多いのか、そこらへんの齟齬は若干解消されているみたいで、前は楽しそうにウネウネ動いてました。

インプロ部分ではオマーのギターソロで聴かせる場面が多々見られ、アイザイアの操るシンセやパブロのマニピュレーターとの兼ね合いもあって結構幽玄な雰囲気。そして少しの布石も見せずに突如耳なじみのあるメロディを叩きつけて『Tetragrammaton』になだれ込むもオーディエンスはそれに動じる事無く盛り上がるのです。繋ぎのインプロの中で各パートのソロをワンフレーズずつ披露してくれてる様がZAZEN BOYSみたいで和むんだけど、最後はトーマスいじめにも見えてくるくらいの混沌模様。この曲とラストの『Aberinkula』が個人的にはハイライトでした。

ageHa的な関係から行ってもアンコールはないなと思ってましたがやはり今回もなし。そういえばマーズヴォルタでアンコールって見たことない。2時間も経ってなかったけど一昨年もそんなもんだったので長さに関しての不満はなし。むしろ終盤の密度の高さは異常かと思えるくらいで、演者のボルテージに牽引されて自然と集中力が研ぎ澄まされていくような、そんな不思議な感覚すら味わえた稀有なライブでした。



1.Viscera Eyes
2.Wax Simulacra
3.Goliath
4.Ouroboros
5.Tetragrammaton
6.Aberinkula