Matmos / The Supreme Balloon

Supreme Balloon (Dig)

ビョークファミリーでもあるシカゴ出身のエレクトロ･ユニットMatmosの新作。

全編シンセをフィーチャーしたかなりポップ寄りのアルバム。縛りがあるのに却って自由度高く聴こえるのは流石というか。ムーグをはじめ新旧様々な機種のシンセを使用しているのは、根性焼きの音とか手術の音とかいった前衛的なサンプリングをすべて排した事に対するハンデか。フワフワ緩いM-5から24分に及ぶ長尺のタイトル･トラックへの流れが結構好きです。これまでのMatmosはなんだか偏屈な世界観、というイメージが個人的にはあったんですけど、きっちりコンセプトに沿いつつなんならスペーシーな匂いもしたりする、聴き易さとしては文句無くキャリア随一ではあります。彼らみたいなミュージシャンが制約を設ける事で新しい側面を提供するやり方には興味がありますので今後ももっとやって欲しい。