福助(1)

福助(1) (モーニング KC)

福助(1) (モーニング KC)

モーニングでの短気集中連載を経て単行本化。売ってなさすぎ。
人生に光が見えない状況に追いやられてしまった主人公・千晶。ある日祖母の遺品整理で出てきた“福助”と書かれた謎の木箱を開ける所から物語が始まります。箱の中の“福助”は胎児の姿からあっという間に少年になり、秘めた力で千晶に福をもたらしてくれますが、そのたび福助はだんだん歳をとっていくという設定。なんだかんだで彼と暮らし始める千晶ですが、福助の力に目を付けた胡散臭い組織が二人の日常に忍び寄る。という流れ。

夏に雪を降らせてみたり、人間外と不幸娘のまったりしたファンタジック・ホームドラマだった前半部から打って変わって利己主義ドロドロの人間たちを投入してみたりと真逆の要素を巧く料理してお話を盛り上げるのが巧い漫画家さんだなと。絵は正直好みではないんですけど惹き込まれます。面白かった。ただ、次の掲載が今のところ未定なのが残念という。1巻なのに。『邪眼は月輪に飛ぶ』しかり、そのへんどうなってるんでしょう。